「減量したいけど、タンパク質・脂質・炭水化物を何gにすればいい?」
筋肉をできるだけ保ちながら絞るなら、摂取カロリーを仮決めし、タンパク質を確保し、脂質を極端に減らさず、残りを炭水化物に配分すると整理しやすくなります。
ただし、PFCを合わせれば筋肉が絶対に落ちないわけではありません。筋トレ、減量の進め方、睡眠も関わります。この記事では、健康な成人が筋トレを続けながら減量する場合の計算手順を、具体例で紹介します。
減量中のPFCは「カロリー→P→F→C」の順で決める
| 順番 | 決めること | 出発点 |
|---|---|---|
| 1 | 1日の摂取カロリー | 維持量の推定と体重記録から、無理のない減量量を仮決めする |
| 2 | P:タンパク質 | 体重1kgあたり1.6〜2.0g/日を、一般の筋トレ実践者向けの出発点として検討 |
| 3 | F:脂質 | 総エネルギーの20〜30%を参考に、食品の組み合わせで調整 |
| 4 | C:炭水化物 | 残ったカロリーを配分する |
| 5 | 実際の調整 | 体重の週平均、空腹、体調、筋トレの記録を照合する |
この順序は本記事の実践案です。Pの範囲はISSNの運動者向け参考範囲1.4〜2.0g/kg/日のうち、高めの範囲を出発点にしたものです。減量中の最適量を一律に保証する基準ではありません。[1]
脂質20〜30%は「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の成人の目標量を参考にしています。一般成人向けの基準と、競技者の減量に関する提案は区別してください。[2]
まず摂取カロリーを決める|PFC比率だけでは減量は決まらない
同じPFC比率でも、総摂取カロリーが違えば食べる量は変わります。「P30・F20・C50にすれば痩せる」と、比率だけで考えないことが大切です。
最初は、TDEEの推定と維持カロリーの確かめ方で、普段の食事量と体重の推移を照合します。計算機が示す消費量は実測値ではありません。
仮に維持量を2,300kcalと推定した人が、まず2,000kcalで記録を始めると、差は300kcalです。これは計算の例で、全員に300kcal減らす指示ではありません。実際に減量になるか、続けられるかを記録で確認します。
食事を急に大きく削ると、空腹や疲労が強くなり、練習を続けにくくなる場合があります。体重が落ちたことだけで成功と判断せず、筋トレの重量・回数や生活の調子も見ましょう。
P|タンパク質は、割合より体重からグラム数を考える
一般の筋トレ実践者が減量計画を立てるなら、まず体重×1.6〜2.0g/日で食事を組めるか確認する方法があります。
| 体重 | 1.6g/kg | 2.0g/kg |
|---|---|---|
| 60kg | 96g | 120g |
| 70kg | 112g | 140g |
| 80kg | 128g | 160g |
| 90kg | 144g | 180g |
これは最適量や最低必要量を確定する表ではありません。体脂肪がかなり低い人、制限が大きい人、競技の減量をする人では、個別の調整が必要になります。体脂肪が多い場合も、現在体重だけから機械的に量を増やし続けないでください。
ボディビル競技の減量を扱った2014年のレビューでは、除脂肪体重1kgあたり2.3〜3.1g/日という提案があります。[3] これは体重1kgあたりではなく、脂肪を除いた体重が基準です。一般の初心者に、そのまま体重×3gを勧める数字ではありません。
食品に含まれる量の合計や研究の詳しい読み方は、筋トレに必要なタンパク質量へ。腎疾患などで食事指導を受けている場合は、自己判断で高タンパク食へ変更しないでください。
F|脂質は「減量だからゼロ」にしない
脂質は1gあたり約9kcalとして計算するため、油やドレッシングの量は摂取カロリーに影響します。ただし、肉・魚・卵・乳製品などに含まれる脂質まで、すべて避ける必要はありません。
仮に2,000kcalの20〜30%を脂質へ配分すると、400〜600kcal。9で割ると約44〜67g/日です。例えば60gなら540kcalで、全体の27%になります。
「脂質を何gにすればテストステロンが必ず上がる」という個人向けの量は、この計算からは確認できません。ホルモンを理由に大量の油を足すのではなく、食事全体の量と食品を考えましょう。
調整するときは、揚げ物の頻度、調理油、マヨネーズ、ナッツのつまみ食いなどから確認すると、記録漏れを見つけやすくなります。
C|残りのカロリーを炭水化物へ配分する
タンパク質と脂質を決めたら、残りを炭水化物に配分します。
炭水化物の目安g=[総摂取kcal−タンパク質g×4−脂質g×9]÷4
例えば2,000kcal・タンパク質120g・脂質60gなら、次の計算です。
- タンパク質:120×4=480kcal
- 脂質:60×9=540kcal
- 残り:2,000−480−540=980kcal
- 炭水化物:980÷4=245g
この炭水化物245gは、ご飯245gという意味ではありません。ご飯・パン・麺・果物・乳製品などに含まれる炭水化物の合計です。
4・9・4は配分用の概算です。食品表示は食物繊維などの換算や丸め方も関わるため、表示されたPFCから計算したカロリーと完全一致しない場合があります。
なお、食事摂取基準の成人向け炭水化物目標量は50〜65%エネルギーです。[2] 今回の例は49%で、一般成人向け範囲の下端をわずかに下回ります。筋トレ向けの高めのタンパク質を優先した計算例であり、食事摂取基準に完全準拠した献立を示しているわけではありません。
体重70kg・2,000kcalを仮定したPFC計算例
| 栄養素 | 1日の量 | 概算カロリー | 割合 |
|---|---|---|---|
| タンパク質 | 120g | 480kcal | 24% |
| 脂質 | 60g | 540kcal | 27% |
| 炭水化物 | 245g | 980kcal | 49% |
| 合計 | — | 2,000kcal | 100% |
これは架空の計算例です。体重70kgだから2,000kcalが適切とは判断できません。身長、活動量、現在の食事、体重の推移で必要量は変わります。
食品へ落とし込むときは、毎食「主食+タンパク質源」を作り、油や間食も含めて合計します。鶏肉だけで量をそろえるより、魚・卵・大豆・乳製品なども組み合わせ、野菜や果物も確保してください。
献立の組み方は筋トレ初心者の食事の基本、主食の量はオートミールのPFCと白米との比較で具体化できます。粉末プロテインは、食事だけでは足りないときの補助手段として考えます。
体重が減らない・力が出ないときの調整
短期間の停滞なら、すぐ削らない
体重は水分、塩分、食事量などでも変わります。できる範囲で同じ条件で測り、週平均とその推移を見ます。1日増えた分を翌日に極端に食事制限して埋め合わせる必要はありません。
まず1〜2週間ほど食事と体重の記録をそろえる方法がありますが、その期間で必ず結論が出るわけではありません。判断しにくければ、活動や記録漏れも確認しながら観察を続けます。
記録漏れと活動量を先に確認する
調理油、飲み物、酒、週末の外食を含めているかを見ます。食事が変わらなくても、歩く量が減れば条件は変わります。記録がそろい、停滞傾向が続くなら、一つの食品の量から小さく調整してください。
筋トレの不調が続くなら、減らしすぎも疑う
重量や回数の低下、強い空腹、疲労が続くなら、さらに食事を削る前に総量・主食・睡眠を確認します。症状だけで栄養不足と断定はできませんが、PFCの達成だけを理由に不調を無視しないことが大切です。
夜の主食を抜こうと考えている場合は、夜の炭水化物と減量の考え方も確認してください。
減量中のPFCでよくある質問
毎日1g単位で合わせないといけない?
配分は計画の目安です。食品表示や記録にも誤差があるため、数gのずれだけを失敗と考えないでください。まず食事全体と、継続した体重・体調の変化を見ます。
炭水化物をゼロにした方が早い?
本記事の計算手順では、その必要はありません。主食を抜いて短期間で体重が減っても、すべて脂肪が減ったとは判断できません。練習しやすさと続けやすさも含めて選びます。
休養日も同じPFCでいい?
まず同じ量で管理する方法はシンプルです。運動量の差に合わせた調整もできますが、毎日の細かな変更を先に増やす必要はありません。休養日もタンパク質を確保しましょう。
まとめ|PFCは最初に決めて、記録で直す
最初に総摂取カロリーを仮決めし、タンパク質と脂質を確保して、残りを炭水化物へ。決めた数値は固定せず、体重と練習の調子から見直します。
次に行うことは、一日分の食事を記録して、予定した量と実際の量を比べることです。
参考文献・情報源
- Jäger R, et al. (2017). International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise. 本文/DOI: 10.1186/s12970-017-0177-8。運動者の摂取量とエネルギー制限時の考察を確認。
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」エネルギー産生栄養素バランス。成人の目標量表を確認。報告書・訂正情報。
- Helms ER, Aragon AA, Fitschen PJ. (2014). Evidence-based recommendations for natural bodybuilding contest preparation: nutrition and supplementation. 本文/DOI: 10.1186/1550-2783-11-20。競技者向けの提案であり、初心者一般への処方ではありません。
著者:レイ(現役看護師)/情報確認日:2026年10月15日。本記事は健康な成人向けの一般情報です。治療中や医療上の食事制限がある方は、個別の指導を優先してください。表と計算例は本記事の説明用で、筆者の食事記録ではありません。


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